第91回 2021年2月10日 男性議員と女性議員、多くてもダメ少なくてもダメ(フランス)

フランスの市民運動団体「Elles aussi」(彼女たちも)は2021年の年頭、こう呼びかけた。

「明日、女性に公平な場を! 2020年のコロナパンデミックは、女性がいかに社会的に弱い立場に置かれているかを知らしめた。女性たちは、低賃金・非正規で治療・予防に必要不可欠な職の最前線にいる。2020年は女性が地方議会にほんの少し増えた年でもあった。私たちはこれに満足しない。女性の市長が全体のわずか21%ではダメだ。30%にしよう」

2020年、フランスは統一地方選だった。フランスの地方の選挙制度は地方によって異なるが、大体は比例代表制による2回投票制だ。1回目で過半数を取った政党がない場合(大体がそうだ)、もう1回投票する。市長選はなく、多数派政党の候補者リストの1番上に載った人が市長になる。

コロナ禍で、2回目の投票日は3月から3カ月も延期された。全国各地で緑の党が大躍進し、女性市長も女性議員も増えた。

パリでは、緑の党と組んだ社会党の候補者リストでトップに載ったアンヌ・イダルゴが市長に再選。2014年、初めて市長となった彼女は2歳の時、フランコの弾圧を逃れた両親に連れられて亡命したスペイン系移民だ。最初の夫との間に2人、2番目の夫との間に1人の子を持つ母親でもある。こういう女性が当選できるのも比例代表制だからこそだ。

2020年の統一地方選で「Elles aussi」は「今日の女性市民は明日の市長です」というスローガンを掲げた。パリテ法(男女半々法)から20年も経ったのに、1000人以下の小さな自治体はパリテの風が吹かないので業を煮やしたのだ。

今回のポスターは、この「Elles aussi」が、パリテ法制定後すぐの2002年、作ったものだ。

青で書かれた言葉を和訳すると、左上から、「市町村議員、県会議員、地方圏議会議員、国民議会議員、元老院議員、大統領」。すべて男性名詞だ。よく見ると、一つひとつの語の後ろに、赤の手書きで女性名詞のための接尾語がつけ足されている。そして、中央部の太字が叫んでいる。それが今回のタイトルだ。

Elles aussi」は、6つの女性運動団体が1992年に連帯して立ち上げた。フランス政府とEUが補助金を出した。当時のスローガンは「国会も地方議会も女性を半分にしよう」。パリテ法に先鞭をつけた。

ひるがえって日本。衆院は女性議員10%で世界193カ国中166位! 全国1741市区町村のうち311は「女性ゼロ議会」。女性議員がたったの1人しかいない「女性ひとり議会」は436。目も当てられない。

 

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