第90回 2021年1月1日 世界初のフェミニスト政権(スウェーデン)

 

スウェーデンの男女平等政策が世界のトップを走っていることを疑う人はいない。

特に今から4年前の2016年のこと、ロベーン首相(北欧5カ国で唯一の男性首相)が「私たちは世界初のフェミニスト政府です」とぶち上げたのには、私も目を丸くした。首相はさらに「男女平等は社会変革へのカギです」「男女平等達成のための政策を実行し、あらゆる政策に男女平等の視点を入れます」と宣言した。

実際、国会や内閣はむろん、審議会、委員会、すべての公的組織の構成員がほぼ男女半々となった。地方自治体の首長や管理職の女性の平均賃金が初めて男性を上回った。男女平等大臣は語った。

1980年代から30年以上も公的委員会や審議会などにおける構成員の男女平等を進めてきて、やっと実を結んだのです」

その1980年代、日本の都議会に当たるストックホルム県議会は「あらゆる仕事に男も女も入っていこう」と呼びかけた。そのとき使われたのが今日のポスターだ。

ピンク地に切り絵をはりつけてある。切り絵は日本や中国だけでなく、北欧でも長い伝統があり、クリスマスツリーや窓の飾りによく使われる。

黄色い三角形は、スウェーデン人の大好きなアイスクリームのコーンのようだ。「ミックス(blandat)が最高!」と叫んでいる。

ここで重要なのは、男女が3人ずつ入り混じっていること。しかも、ヘアスタイルや目の形が異なるさまざまな人種。「すべての仕事に女も男も」「ストックホルム県議会 男女平等に向かって」とある。

この後、90年代に入ると、スウェーデンは10人以上の企業主に男女平等促進行動計画と男女賃金格差調査の提出を義務づけた。男女平等オンブズマンがお目付け役となった。

さて日本。このポスターを作られたころの80年代、男女雇用機会均等法ができた。名前は大層立派だが、日本女性はパートや派遣という非正規労働に押し込まれた。

20204月の統計を見ると、その非正規労働者が昨年より97万人減った。だが「非正規が減った」と喜ぶのは早い。クビを切られたのだ。その7割以上は女性だった。新型コロナウイルスの影響と見られていて、その深刻度は、今さらに進んでいる。

 

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